文章校正環境を整えてて「はまる」

間違った入力をしないようにとATOKを基本とした文章作成環境を構築していましたが、思わぬところではまってしまいました。
共同通信社 記者ハンドブックの辞書を導入したら「ユーザ」が <記:表記揺れ> と表示されるようになってしまいました。よく言われる「コンピュータ」と「コンピューター」の表記の違いによる指摘です。
「この業界」にいるので、用語の基本は JISに従った書き方をしていたつもりですが、外来語の表記に関しては、現在二つの表記方法があるようです。

公文書の場合
「外来語の書き方」(平成3.6.28 内閣告示第二号)
JIS Z 8301:2008 の場合
「付属書G 文章の書き方、用字、用語、記述及び数字」の「G6.2 外来語の表記」

JISでも、最初の「G6.2.1 一般」では、主として”外来語の表記(平成3.6.28 内閣告示第二号)”による。と定義がありますが、「ただし、慣用が定まっている場合には、それぞれの慣用による(G6.2.2参照)。」とあります。
この時点で、長音符号をつけるのが基本であり、今まで別の書き方をしてた場合には続けても大きな問題とはならないということですね。
この G6.2.2 が問題になっている”長音符号の取り扱いに対して”の記述になります(一時期 JIS Z 8301 のG6.2.2がなかったような記事(2000年版の改訂?)がありますが、今日現在ではその表記は存在していました)。
この中を読んでいくと「-er,-or,-arは、ア列の長音とし、長音符号を用いて表すものに当てはまるとみなす」とあります。ただし、次のような定義もあります。
b) 規格の用語及び学術用語にない用語の語尾につける長音符号
ここで問題の「言葉が3音以上の場合には、語尾に長音符号をつけない。」という定義が現れます。
ここででてきた学術用語は、分野ごとに学術用語集が文部科学省編で発行されているようで、これらの用語は教科書などに適応されるようです。
学術用語がなければ(たぶん、定義が間に合っていない例外となる外来語ということかもしれませんが)は、長音符号を省略する表記法となかり限定的な利用になっているのが決まります。
ここまでくると調べる量が多くなりすぎてしまいます(さすがに学術用語を入手して、しらみつぶしに辞書を作るとなると一人の手に余るので)。
一般的な書き方としては、「外来語の書き方」に従った文章を作成するのが無難なようです。
単語の打ち間違いは、導入した共同通信社 記者ハンドブックの辞書が指摘してくれるでしょうが、今まで指で覚えたタイプを直すのに苦労しそうです。今までの「JISで決められている」と言われる表記を好む環境では、正規表現などで一括置換するか、辞書での置換をして統一することになりそうです。
ちなみに、JIS Z 8301 の付属書Hでは、「規定を表す言葉の表現形式」というものもあります。
この中で、指示要求の場合、禁止の場合、推奨の場合などの末尾に置く語句の定義もありますので、技術文章や説明の文章を作成するときには非常に助かっています。
Postscript
本記事ですが、参考にしたサイトの情報とJIS Z 8301で異なっている部分がありましたので、全体的に書き直した文章を再投稿しております。参考にした情報ではJIS Z 8301:2000 版 を基準としておりましたが、 JIS Z 8301:2008 では記述が異なっていたため、記事の内容が大きく異なっております。
Postscript-2
さらに調べてみると 国際情報科学研究所 オンライン学術用語集からコンピューターを検索すると「物理学編(増訂版)で定義がありました。ユーザーは、直接的な定義が見つかりませんでしたが、図書館情報学編にエンドユーザーと定義がありました。
「JISで決められていると言われる表記を好む環境」がマイノリティーのようですね。これから文章の表記が変わるのは確実なようです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Translate »